インタビュー/取材記事

年老いていくスピードを、食のチカラで遅らせる。伊吹 ヒロさんに教わる、体によい食べ物の調理方法や、日々の食事との向き合い方について

インタビューライターの西垣かおりです。

今日は、愛知県やオンラインで、野菜中心の料理教室を主催する伊吹 ヒロさんからお話を伺いました。

✔年齢を重ねて体力の衰えを実感している
✔健康診断の数値が気になるけれど、忙しくて食生活まで気が回らない

そんな、忙しすぎる夫を持つ奥様に、特にオススメです。

もともとは大手企業で新規事業の立ち上げに関わっていた伊吹さんですが、なぜ体に優しい料理を伝えようと思ったのでしょうか。

もくじ

伊吹ヒロさんのプロフィール

芸術家である夫が作る、世界に1つだけの食器と、日常の空間にアートがある家で、野菜と果物たっぷりの料理を味わっていただく料理教室を主催。

参加者からは 「野菜だけで、こんなに美味しい料理が簡単にできるなんて思わなかった」と驚きの感想を多くいただく。
また、家庭でのレシピの再現性が高いと評判を呼んでいる。


広島大学卒業後、㈱ベネッセコーポレーションに入社。
ベネッセアート直島ベネッセハウスの立ち上げメンバーとして活躍。

㈱ミツカンに転職後は、アジア向け現地法人設立や、社内初の直接輸出事業立ち上げに関わり、 貿易実務業務を仕組み化した実績を持つ。

約30年間、新規事業の立ち上げとプロジェクト進行管理に携わってきた経験を生かし、1人1人の家庭環境に沿った提案を得意としている。

どのような料理を学ぶことができるのですか?

「美味しくて」「健康によい」野菜が中心の料理教室です


✅自然の食材を生のまま、栄養も丸ごと取り入れたローフード料理
✅野菜を美味しくたくさん食べたい方のためのNeoベジタリアン料理

を中心とした、自分や家族の健康に気を遣っていきたいと思っている方が対象の、野菜や果物をたくさん使った料理教室を開催しています。

・添加物を減らす
・抗酸化物質をとる
・消化機能をしっかり使う

といった視点で体を整えることで、食を通して老化のスピードを落とすがテーマです。

対面教室はごく少人数での開催、オンライン教室も開催しています。
材料さえ用意すれば、調理工程自体はとってもシンプルなんですよ。

取り入れやすいところから、野菜や果物を摂取しませんか?

実は私自身、30代くらいまでは、食事に全く気を配ることができていませんでした。
と、いうのも、当時の私は大手企業で働いていており、残業を引き受けると、帰宅時間が夜の9時~10時になることが多々あったからです。

夫婦共働きでしたので、早く帰ってきたほうが料理を担当していたのですが、休日に作り置きができなかったため、平日は3、4日連続お弁当を買ってくる、なんてこともありました。

そんな食生活を見直すことになるきっかけは、夫の健康診断結果に愕然としたこと。
30代前半にも関わらず、夫のコレステロール値は高く、高脂血症と診断されたのです。

「これは食事が原因だろう」と危機感を覚えた私は、慌てて色々な本を買い、読み漁るように。
本で学ぶうちに、どうやらお肉の油は避けたほうがいいようだと気がつきます。

とはいえ油は、肉や魚にはやっぱりあるわけですよね。
揚げ物は、見た目から論外として。

油について調べていくうちに、油がもれなくついてくる動物性食品を摂取しなければ体にいいのだろうか? と、思ったのです。

そんな風に考えたとき、「じゃあ、野菜や果物を食べればいいってことですかね?」となり。

とはいえ、すぐに私たち夫婦の食生活を、ガラッと変えることは難しく。
まずは、私たち夫婦にとって、取り入れやすいところから始めてみようと思ったのです。

生の野菜や果物を切ってとなると、サラダがメインかなと考え、
・だいたいの食事に、お惣菜を買うにしても、サラダを1皿つける
・普段のお弁当に、生野菜のサラダをつける
・外食しても、サラダを1皿つける

このように、日々の食事にサラダを追加することで、野菜を取り入れていくようになりました。

ロ―フードやNeoベジタリアン料理に、のめり込んでいくきっかけを教えてください

「え?こんなにも野菜が食べれるんだ!」と、感動したから

調べていくうちに、料理の中で動物性食品を抜いたものは、本当に少ないことに気がつきました。
ヘルシーと呼ばれるものも、ただカロリーが低いというだけであることが多くて……

炒めないけれども、ゆでた肉のように、結局は油である動物性食品を使っている料理ばかりだと思ったのです。

野菜や果物だけの食べ物はないかな? と探していたときに、友人から「ロ―フードに興味はない?」と、ランチ会に連れ出してもらいました。

ローフードは、焼かない、小麦粉を使わない、白砂糖不使用、冷やして固めるだけ。

彩りもカラフルで、「え? こんなにも野菜が食べられるんだ!」と、感動したんですよね。


かつては、サロンドショコラ(バレンタインの催事)初日に出かけるため、半休を取り、数万円以上をチョコレート購入に使うほど、甘いものが大好きだった私でしたが、
✔菓子パンを食べる代わりにバナナ
✔お菓子を食べる代わりにドライフルーツ

と、最初にランチ会で知ってからローフードを習い始めて、少しずつ日々の家族の食事を変えていきました。

すると、「次はスムージー作ってみよう!」と、次第に私の意識にも変化が起こるように。

スムージーを飲み始めた頃から、我が家のロ―フード生活が軌道に乗るようになっていきます。

また、Neoベジタリアン料理に関しては、京都にお住まいの創始者である先生から直接教わりました。
野菜や果物中心の菜食主義をベースにしながら、適度に動物性食品である肉類も食べていいよ、という考え方です。

もちろん、ビーガンのように、本当に動物性食品を全く食べない人もいらっしゃいます。
さまざまな主義主張がありますし、私はそれら考えを否定しているわけではありません。

ただ、Neoベジタリアン料理が提唱する、食べるということを否定せず、自分の体調や好みで動物性食品を食べてもいいというところを、私が気にいっているのです。

そもそも、ローフードが体にいい調理法と呼ばれている理由は

ローフードのRAWは、生の食べ物という意味です。

基本的に高温で加熱したり、焼いたり揚げたりといった調理はしません。

熱を加えるなら48度、せいぜい60度くらいまで。
ゆっくり低温で調理する理由は、食べ物に含まれる酵素です。

加熱し60度を超えると、酵素は死活すると言われています。
食べ物が持っている、生きた酵素をそのまま体に取り入れるためにも、加熱は48度までになるという考え方です。

私たち人間が植物酵素を食べると、体内に吸収された植物酵素は、私たちの胃の中の消化を助けてくれる働きがあります。

植物酵素が代わりに働いてくれた結果、私たち人間の中にある酵素の消費量を節約できるのです。

そして、消化に使われるはずだった人間の持つ酵素は、代謝など別のことに使われるため、細胞の入れ替えやダイエットに効果的だと言われています。

逆に肉類は消化に時間がかかるだけでなく、植物とは違って消化酵素を出すことはありません。
胃の中から消化するために、人間は自分が持つ酵素やエネルギーを、消化することに対してたくさん使うことになります。

そのため、毒素がたまって中々排出しない悪循環となるのです。

ロ―フードを生活に取り入れたことにより、伊吹さん自身が感じた体調の変化があれば教えて下さい

まずは、目に見えた体型の変化です。

無理なダイエットをすることなく、5年間で7kg、自然に体重を落とすことができました。

ハーブの下剤を常用するほど便秘がちでしたが、便通がよくなり、今では下剤の使用は不要に。


次に、若々しく透明感のある肌です。

果物を多く食べると、翌日の肌の明るさが違ってくるのですよ。


また、ローフード生活のきっかけとなった夫についてですが、コレステロール値は徐々に減っていきました。

10年以上経ち、今では自分で野菜を育てることが、夫の趣味に。

イライラすることもなくなりましたし、食を変えることが体の変化に繋がることを、夫婦共に実感しています。

今後、どのような仕事に関わっていきたいと思っているのか教えて下さい

忙しいの、女は

若い頃は、「歳を取りたくない」という恐怖心がありました。
高級な化粧品ばかり使っていたのも、肌の衰えていくことに対する不安からだったのでしょう。

老いが怖くて仕方がなかった私ですが、歳を重ねるごとに、老化には抗えない、逆らえない、歳を取ることは仕方がない、受け入れるしかない、少しずつそう思えたときに。
老いていく自分を受け入れながらも、諦めなくて進んでいける道があるはず、と思ったのです。

自分に寄り添いながら歳を取ることを遅くしていくことを、料理を通してお伝えできたらいいなと思っています。


また、40代後半を過ぎた頃には、同じ会社で働く先輩たちの姿から、会社員としての自分の未来が見えてくるものです。

30代くらいまでは野心と希望に溢れていた私でしたが、先輩方の役職や待遇から、会社員としての自分の未来が想像でき、暗くどんよりとした気持ちに。

親の介護も始まり、「私の人生とは何なのだろう?」と考えるようになります。
親の介護を通じて、自分の未来の姿を見ているよう。

自分が産み育てた子どもは成長して、子ども自身も忙しくなってくるのもこの頃でしょう。

「人生100年時代、諦め気味でいいの?」
「じゃあ私、どうしたいんだろう?」

そう自分自身に問いかけたとき「自分のことも諦めたくない!」と、私自身強く思ったのです。

物事の捉え方を変えて気持ちが楽になった経験から、考え方1つでとっても生きやすくなることも、生き方の1例としてお伝えできればと思っています。

全ての土台は健康から

健康な体があれば、元気で過ごしていけると思っています。

✅添加物を取らない
✅胃腸を元気にする
✅野菜や果物の酵素をたくさん取り入れる

自然の法則に逆らわず、本来の必要な量だけを体に取り入れていたら、肥満にも、病気にもならないはずだと思うのです。

とはいえ、生野菜や果物ばかりで1日3食、全部が全部をロ―フード、は現実的ではないですよね。


自然の食材を、生のまま丸ごと体に取り入れようとすると、皮剥かずに、となります。

そうなると、皮も安心安全である必要があるので、
・農薬を使わない
・オーガニック
など、どんな育て方をしているかが重要になってくるもの。

ですが現実問題、安心安全なものだけが出回っている訳でもないですし、経済的に難しいこともあるでしょう。
だからこそ、無理なく。

例えば、1日のうちの半分の食事を、頑張れた日は8割の食事を、野菜や果物中心の食事にできたらいいですね。
朝は果物を適度に食べて、昼はかつ丼に野菜サラダを加えようか、のように。

何事も、バランスが大事ですから。

食事の半分は、加熱しないロ―フード料理。
もう半分の食事は、低温でゆっくり加熱した野菜を中心に。

こんな風に考えたら、「私にもできそうかも!?」って思いませんか?

歳を取ると、どうしても健康診断の数値が気になりますよね。
明らかに数値として出てきたり、「A」だったものが「要注意」と結果が変化する年齢になってきます。

男性は気付けなかったりするので、そういう旦那さんを支える奥さまたちに、早いうちに知ってもらいたいのです。

簡単、おいしくなんて、今の世の中当たり前。
健康診断でいい結果を残せるような、材料を揃えるだけで家でも簡単に作れる調理方法があることを。

たった3つの材料でできる、食べるほどに綺麗になるチョコレートとは

「ロ―フードは気になるけれど、野菜を食べる習慣って続くかな……」
そんな風にお悩みの方は、ぜひロースイーツから試していただきたいです。

寒くなってくると、チョコレートがおいしく感じませんか?
ローチョコレートは、卵・牛乳・小麦・白砂糖不使用で、体に優しいチョコレートです。

カカオは、栄養素やミネラルが豊富。
その中には熱に弱い成分も含まれていますので、これらをできるだけ失わないよう、低温製法で作ります。

材料・調理工程がシンプルなので、お菓子作り初心者の人にもおすすめですよ。


ローチョコレートの材料は、たった3つです。
✔カカオパウダー
✔カカオバター
✔天然甘味料(アガペシロップ、メープルシロップなど)

自分で作ると、自分好みの甘さに作ることもできますよ。


クリスマスやバレンタインデーの時期に人気なのが、ローチョコレート講座です。
気軽にロースイーツを楽しんでいただきたくて、オンラインレッスンを始めました。

ローチョコレートやカカオについてのミニレッスンの後、みんなでわいわいローチョコレートを作ってみましょう。

✔ローチョコレートのサンプル
✔ローチョコレートを入れる型
✔2回分のローチョコレートの材料
✔トッピング用のナッツやドライフルーツを10種類以上

を事前にお送りします。
希望者には、別日程で復習会もありますよ。

あなたにお会いできるのを楽しみにしています。

スローエイジング研究家、伊吹ヒロさんについて


年をとることを受け入れ、 これからの自分と上手に付き合っていくことを伝える
スローエイジング研究家/ローチョコパティシエ 伊吹ヒロ


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