もくじ
『人間を辞める』とは、『当たり前を疑う』こと
「私はいつも勇気を出して、人間に戻らないように踏ん張っているんだよね」とその人は言った。
貯金も定収入もないのに、悠々自適に高級ホテルで遊ぶように働きながら暮らす「リッチなホームレス」である杏樹魅香(あんじゅみか)さん曰く。
『人間を辞める』とは、『当たり前を疑う』ことだという。
今では友人だが、最初は仲良くなれるのか不安があった。
だって、人間辞める!?何それ、どういうこと??
杏樹さんによると人間とは、変わりたくないと変化を嫌う生き物だという前提を持っているそう。
「今までと一緒でいいんだよ、新しいことは危険だよ」
そんな風に考えて、本能が全力で行動を止める生き物なのだと。
例えば、ダイエットを例にあげると、停滞期と同じ仕組みなんだとか。
これ以上痩せないように止まってしまうのが、その証拠。
それでも「えいや!」って踏ん張って、勇気を出して、決断して、行動をしていくことでしか、現実を変えることなんてできない。
「ダイエットだって、続けないと痩せないでしょ?」と問われると、「確かに!」と納得できるはず。
「おっと危ない、危ない。また、人間に戻ってしまうところだった!」
そんな風に自分自身に常に問いかけて、今までとは違う行動を取り続けることでしか、未来を変えることなんてできないというのだ。
気の向くまま、思いつくまま、家すら手放したきっかけ
今となっては全くもって信じられないが、元々、杏樹さんは家を建てるつもりだったらしい。
2017年11月に、「別荘のようなステキな家に住みたい!」と思い立ち、 大網白里市季美の森にあるスエーデンハウスに転居。
そこで暮らす日々に満足はしていたものの、さらに理想の住居を追い求めること2年。
自分の理想とする土地にも巡り合え、430坪(30坪の一軒家が14軒は建つ広さ)、リビング50畳一間の平屋注文住宅を建てると一度は決めた。
にも関わらず、杏樹さんは2021年5月から、家を持たない暮らしをしている。
なぜ、「家を購入する」から「家を手放す」に180度ひっくり返ったのか。
それは、実際の図面を見たときに、土地が広すぎて持て余すであろうことにショックを受けたからだ。
図面上に描かれていた理想は、まるで大草原の小さな家。
夢見ていたときは気がつかなかったが、雑草の中に住んでいるような自分の姿さえ想像ができた。
管理はどうするんだ!?と、一気に現実が見えた気がしたのだそう。
そんな時に偶然インターネットで見かけた、『風の時代のライフスタイル』という言葉が気になるのである。
2020年12月末から始まった風の時代。
風の時代はもっと身軽に、風のように軽やかにというフレーズが、嫌でも目につき、心がざわつく。
そもそも、風の時代とは何かというと、西洋占星術での捉え方だ。
西洋占星術では、12星座を「火・地・風・水」の4つの元素に分けて考えられており、これまでの200年間は、地の時代と呼ばれていた。
産業革命や資本主義。
地に足をつけた、コツコツとしたものが重視され、土地・お金・地位・名誉などの、目に見えるものに価値があるとされてきたのはご存知の通り。
しかし、これから200年間続く風の時代は、情報や知識といった、目に見えない形のないものに価値があるとされ、より自由な選択肢の広がる時代へと移行していくのだ。
例えば、テレワークが始まり、働き方に多様性が生まれたことは、まさに「地から風へ」の流れと呼べるだろう。
この、200年ぶりに「地の時代」から「風の時代」に変わる時代の変わり目に、家を建てるなんて逆なのではないか?
違和感が確信に変わり、家を建てることを白紙に戻すことを決意。
家1軒分の家具家電、生活用品を処分。
55歳にして初めて、1ヶ月ごとに住む場所を変える生活が始まったのだ。
実際にホテル暮らしを始めてみたところ、今までの家賃や光熱費と変わらない金額で、心がときめく高級ホテルに宿泊し続けることができているのだそう。
1ヶ月ごとに住む場所を探すなんて絶対に面倒だし、宿泊先が見つからなかったらどうするのだと最初は思っていた。
だか今では、「次はどこに住もう?」と、ワクワクしながら好みのホテルを探して、黄色いベンツで全国を巡ることを楽しんでいる自分に出会えているのだ。
かといって、安定した収入があるわけではない。
株や不動産、家賃収入、預貯金がある訳でもない。
むしろ、借金があるくらいだという。
杏樹さん自身、ホテルで暮らすなんて、本物のお金持ちしかできないことだと思っていたそう。
ただ、やってもいないことに「きっとこうだろう、だから不安だ」と人間は想像し、ブレーキをかけてしまう生き物。
そこで、勇気を出してホテル暮らしにチャレンジしてみたら、お金持ちではない自分にもできてしまった。
必要だったのは、本能に打ち勝つ勇気だけだったのだ。
傍から見たら、簡単に家を手放したように見えるのかもしれない。
「杏樹さんだからできるんですよ!」と、何度も言われてきた。
でも、違う。
人間的な考え方に引き戻されそうな自分と、常に戦っているのだ。
ただ、誰よりも勇気を出して、恐怖を乗り越え、決断をしてきたのだ。
バンジージャンプを飛ぶかのように、怖さと向き合い続けてきた結果、自分が理想とする生活を手にできている、ただそれだけなのだ。
行動しない人が圧倒的に多いのは普通。
当たり前を手放すと、人生は変わる。
その背を見せ続ける杏樹さんが、勇気の出ない私に問いかける。
「さあ、あなたも人間、辞めてみない?」
リッチなホームレス 杏樹魅香さんについて
◆毎日ホテル暮らしのアドレスホッパー
◆黄色いベンツで全国移動するリッチなホームレス
◆逢うとミラクルが起こるのでミラクリストと呼ばれている
◆Yahoo占い Ameba占い他多数の占い監修サイト有
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