子連れ取材ではなく、小学生で「将来の夢はパティシエ!」な、私の娘がメインインタビュアー。
果たして取材として成り立つのか?大丈夫だろうか…と、取材が始まるまでの私は、正直かなり不安だったのですが、たくさんの方のお力とご協力のおかげで、無事取材を終えることができました。
今回、取材にご協力いただいた方は、京都市左京区一乗寺にある、豆乳・アレルギー対応ケーキ店の『むしやしない』のオーナーパティシエ、鵜野友紀子さんです。
もくじ
『むしやしない』のオーナーパティシエ、鵜野友紀子(うのゆきこ)さんとは
鵜野友紀子(うのゆきこ)さんのプロフィール
1975年京都生まれ。日本料理店での仕事がきっかけで、料理人の世界へ。
https://unoyukiko.com/ 豆乳パティシエ/植物性料理研究家 鵜野友紀子 公式サイトより引用
6年の下積みの後、洋菓子の世界へ移り、6年の修行を経て、30歳の時にオーナーパティシエールとして、京都一乗寺に『むしやしない』をオープン。
世界初の豆乳パティシエとして、テレビ・新聞・雑誌などメディアに多数取り上げられる。
2015年、母になったことを機に、小麦・卵・乳成分不使用のケーキの販売を本格化。
翌年には自社農場を創設し、安全安心の原材料自給を計画。
食に携わる者としての責任を果たすべく、日夜挑戦を続けている。
『むしやしない』取材前の事前準備と用意したもの
取材における最低限の礼儀を娘に教え込む
「挨拶をする」、「お礼を言う」の2つだけは、徹底的に娘に教え込みました。
わざわざ時間をとってもらっていることに感謝しよう、と言い聞かせます。
当日は襟付きの服を着てほしかったのですが、自我が芽生えた娘に断固拒否されたため、娘お気に入りのワンピースで妥協することに。
『聞きたいことリスト』を作成
時間を短縮するために、「聞きたいことリスト」を事前に準備して、娘と一緒に質問の練習をしました。
まずは、『むしやしない』のHPや、鵜野さんの別のインタビュー記事を、私が読み込みます。
次に、Instagramの投稿を過去分さかのぼり、娘と一緒に美味しそうなケーキの写真を楽しみつつ、気になることをメモに取ります。
「下調べをしっかりして、web上に書いていないことを聞いてみようね!」と、娘とお約束しました。
わくわく!お店で一番人気のケーキはどれかな!?
取材用に、名刺とボイスレコーダー
ラベル屋さんで娘用の名刺を作成しました。ダイソーで名刺用紙を購入し、娘の名刺を家庭用プリンターで印刷すれば完成です。
そして、私のスマートフォンに、ボイスレコーダーアプリ「簡単ボイス」をインストール。
当日慌てないように、ボイスレコーダーでの録音練習をしました。
他には、電車で娘が騒ぎ出さないように、すみっこぐらしの英単語カードとお菓子を用意。
娘が自分でメモを取ることができるように筆記用具と、手指消毒用のアルコールを準備しました。
実際に『むしやしない』にお邪魔して、取材をさせていただきました
娘、人生初めての名刺交換にチャレンジ
ドキドキしながら名刺を受け取ったあと、きちんとご挨拶ができました。
よろしくお願いします!
さっそく質問させてください。
(カンペを開く)ホームページで、「ミラクル*苺」の写真を見ました。どういう風に工夫すれば「ミラクル*苺」みたいに、綺麗なまだら模様になるのですか?
※ 「ミラクル*苺」 とは、24種類の食物アレルギーを持つ4歳の男の子の「絵本に出てくる美味しそうなケーキ食べてみたい」という声から、7年もの歳月をかけて生まれた、むしやしないオリジナルのアレルギー対応ケーキ「ミラクル*ケーキ」の一種。黒板上部のイラストを参照。
こちらこそ、よろしくお願いします!
学校で、絵の具とか塗ったりしたことはあるかな?
赤とかぽちんとつけて、水でピュッとすると、グラデーションって言って色が変わるんだよ!
濃いイチゴのジャムを取って、薄い色に塗っていくと、色が変化していく…こうやって模様を作りました。
だから綺麗な色になるんだ!ありがとうございます!
もう一つ質問です。
(カンペを開く)私は、アイシングクッキーを作った時、人工的に色を付けて作りました。
アレルギーの人でも食べられるように、どうやって色をつけているのですか?
食べられる色で綺麗なものがいっぱいあって、それを絵の具と一緒のイメージで、緑と赤みたいに合わせたりしています。
天然の色と、合成した科学的な色には違いがあって、合成の色はずーっと色が続くんだよ!
合成って分かる?
合成、分からない…
自然にできたんじゃない色のことだよ!
※一緒に見守っていてくださった、鵜野さんの商談相手さん、ファインプレー!
自然の色は、果物をつぶしてできた色とか、フルーツを潰した色のことだよ!
例えば、ブルーベリーをぎゅって絞ったら紫色になるよ。
合成は、果汁っぽく見せかけた色を作っているの。
難しいなぁ、色は色やもんなぁ。
おうちに帰ったら、合成の復習しようね!
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
とってもパワフルな鵜野さんから、たくさんお話を聞かせていただきました。
インタビュー後の雑談で、鵜野さんの夢の話をお聞かせいただいたりと、ボイスレコーダーを切るのが早すぎたと反省する取材あるあるも。
帰宅後忘れないうちに、国語の発表用スライドを作るための取材メモを、娘と一緒に作りました。
『むしやしない』で聞いた話をきちんと理解しよう!
絵の具って面白い!合成ってどんな色?
国語の宿題が終わったから「はい、おしまい!」じゃ、もったいない!!
絵の具のお話があったので、絵の具を使って絵を描かせることにしました。
水をたっぷり含ませるとどうなるかな?
ぐいーんって伸ばすとどうなるかな?
空のイラストを一緒に書きながら、そんな話をしました。
何か記憶に残せないかなと思い、駅でたまたまチラシを見つけた、駅からはじまるアートイベント『キテミテ中之島 2021』の京阪Kids絵画展に応募してみました。
自然の色ってどんな色?
私は全く詳しくないため、専門家に助けを求めることに。私の友人でローフード研究家の池田博子さんに、自然の色を10種類ほど教えていただきました!
ピンク:クランベリー
黄色:ターメリック
緑:抹茶
などなど。自然の色って、本当にたくさんあるんだよ♪
ローホワイトチョコレートに色を付けながら、「鵜野さんは、どれで色をつけているのかな?」なんて話をしつつ、自然の色について勉強をしました。
編集後記
ママー!学校でね、気になるお仕事している人から話を聞いてきてって言われたの!来週から、順番に前で発表するんだって!
と、金曜日の晩に、小学生の娘から言われた私の心境は、
え?急すぎるんだけど。ってか、パティシエの知り合いはさすがにいないし、どうしよう…
でした(苦笑)
自宅の改装は最も融資が下りないと主人に言われても、書き入れ時の日曜日は保育園が開いていないよと私に言われても、「私の作ったお菓子を食べている、パパやママの笑った顔を見ているのが好き」と、『子どもを5人産んで自宅の1階をケーキ屋さんにする!』という壮大な野望を胸に、日々料理のお手伝いを頑張る娘。
今回、斎藤敏博さんからご紹介いただき、実際に『むしやしない』のお店にお邪魔して、パティシエの仕事について取材をさせていただくことができました。心より感謝しております、ありがとうございました。
終活の専門家、さいとーさんです。むしやしないのスタッフのみなさんと、月に一度、京都一乗寺周辺で掃除活動をしていますよ。
大人になった娘が、パティシエになるのかは分かりません。
ですが、この経験が娘の中で生きてくる日が、いつかくると思うのです。
元々、娘の国語の宿題とその発表のみに使う予定でしたが、本当に素晴らしいお話を聞かせていただき、娘のためだけに使うのはもったいないなと感じたため、ブログにまとめてみました。
ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
同じく、小学生のお子さんがいらっしゃるご家庭の参考になれば嬉しいです。
そしていつか、娘が進路に悩んだ時に、「小学校の国語の宿題で、こんな経験をしたんだよ!」と見せてあげようとも思い、取材後のことも併せて記録しておきます。
『むしやしない』の基本情報
『むしやしない』について
〒606-8115
京都市左京区一乗寺里ノ西町78
TEL/FAX 075-723-8364
営業時間:10:30〜18:00(LO17:30)
定休日:月曜日・火曜日(祝日に関わらず)
公式サイトに最新の営業カレンダーあり
駐車スペース:2台
叡山電鉄「一乗寺駅」下車、曼殊院道を東へ徒歩5分
イートイン可能:店内15席 テラス6席(テラスは喫煙可能)
アレルゲンフリーのホールケーキは予約が必要です