終活なんて定年退職後に考えるものだと思っていませんか?
死ぬ前の準備だと思いがちな「終活」ですが、スタートはできるだけ早いほうがよいとされています。この記事では、そもそもエンディングノートとは何か、30代でエンディングノートを書くべき理由や、書き方についてお伝えします。
もくじ
エンディングノートを書き始めるのは、早ければ早いほどよい
エンディングノートとは終活の取り組みの1つで、あなたの人生・あなたが周りに伝えたいことを記すノートです。書く内容に指定がなく、書き方やルールもありません。
なぜエンディングノートを若いうちから書くといいのか。それは、これまでの人生を振り返り、これからの人生を充実させられるよい機会となるからです。
30代で書くエンディングノートとは? 遺言書との違いは?
・今までの自分自身の人生の振り返り
・次のキャリアで実現したい希望
・どんな家族関係を築きたいのか
・そのために今できること
など、箇条書きで項目を書き出したり、キーワードや資格名を並べたり、最初から完璧なものを目指そうとする必要はありません。あなたが生きてきた中で感じたことを、客観的な目線で振り返ることが重要だからです。
また、高齢になっても、終活に取り組めない人がいます。
その多くは、「体は元気だし、まだ自分の意志が整理できていない」というものです。もしものことがあったときに情報が整理されておらず、残された家族が困ってしまうことも多々あるのが現状です。
エンディングノートを上手に活用すると、頭の中の整理がしやすくなるだけでなく、終活の準備も進みます。
補足ですが、エンディングノートは遺言書と違い、法律的な効力はありません。
遺言書とは、あなたの死後、残された大切な家族が相続で揉めてしまわないように、自分の意思を残すための書類のことです。あなたの望みに沿った相続分割ができるようになります。
エンディングノートは「あなたの人生を記録するもの」ですので、あなたの生きてきた歴史やあなた自身の考えを、気軽に書き出していくのにぴったりです。
30代で書く! エンディングノートの書き方、実例3選
エンディングノートの書き方は自由と言われても、最初は悩みますよね。では、具体的にエンディングノートへどのようなことを書けばよいのか、30代ならではの項目や書き方を具体的に説明します。
1:ライフプラン二ングの作成
ライフプランニングとは人生設計のことで、結婚、出産、マイホーム購入など、人生の節目ごとに起こるライフイベントが時系列で可視化できます。併せて、退職金がもらえる時期、住宅ローンの完済時期など、数値化できる収入・支出予測も記入します。具体的な数値を記入すると、いつどのくらいの出費が必要になるのか、長期的な人生の見通しの把握にも役立つでしょう。
30代になると、職歴も長くなり責任のある仕事を任される人が増えてきます。晩婚化も進んでおり、結婚や出産をする人も多いもの。家族構成や収入・支出状況、預貯金など、変化の出る年代です。
固定費や任意保険など、毎月の出費は本当に必要なものなのか、選択できるようにもなります。また、夫婦間、親子間で将来のイメージを共有できれば、車や住宅、教育費などの大きな出費に備えることもできます。
2:自分だけしか知らない情報
デジタル遺品という言葉をご存じでしょうか?
パソコンやスマートフォンの普及で生まれたデジタル遺品とは、デジタル機器に保存されたデータや、インターネット上で契約した各種契約のことです。
・インターネットショッピングの際に登録した会員登録情報
・ネット銀行にログオンするためのユーザーIDやパスワード
・TwitterやInstagramなどSNSサービス
・サブスクリプションなど定額サービス
・MailやLINEのアカウント
など、あなたが亡くなったあと、契約していることが分からなくなるサービスを、一覧表にしてエンディングノートに記載しておくと、忘れずに解約してもらうことができます。
3:大切な人たちへの素直な気持ち
あなたは日々、感謝の気持ちを言葉にして伝えていますか?
家族をはじめとする大切な人へ、愛と感謝を伝えるのは照れくさいものですが、「言わなくても分かってもらえる」では気持ちは伝わりません。
口下手で伝えることが苦手だとしても、文章なら何度でも書き直せます。
ラブレターを書くような気持ちで、本音を書き綴ってみましょう。
まとめ:終活に「早すぎる」「まだ必要ない」はあり得ない
人間は、必ず死ぬ生き物です。若いうちから、エンディングノートを書き始めても損にはなりません。
エンディングノートの種類は豊富にありますので、好みのデザインを選ぶと書き進めやすいです。
男女ともに使いやすく人気のある市販のエンディングノートは、コクヨの『もしもの時に役立つノート』です。
質問に答える形で記入ができ、書き方のひな形も用意されています。
迷ったらこの1冊を購入して、とにかく書き込んでみてください。
体が元気なうちから少しずつ終活を進めておくことで、自分の残りの人生を楽しみ、望む最期を迎えられるようになります。
エンディングノートを書くことで、これまでの人生を振り返り、自分の生き方を見つめ直すきっかけにしましょう。